25人のデザイン関係者の仕事場を訪れ、
彼(女)らのライフスタイルや作家性を克明に記録してきた菅原一剛。
あえて The Portrait と名づけた風景写真のシリーズは、
菅原の視線の独特さを立証するものです。
1998年春から2003年秋までの長きにわたって、
日本のデザインシーンを見守った一人の写真家のまなざしがここに在ります。

会期
2004年1月23日(金)〜2月5日(木) 11:00〜19:00
会場
アクシス・ギャラリーアネックスB1 [MAP]
主催
KLEE INC PARIS TOKYO
協賛
キャノン株式会社 / 株式会社資生堂
協力
アクシス
協力団体
財団法人日本産業デザイン振興会 『DESIGN NEWS』
Strawberry Pictures Inc.

The Portrait 〜隔絶、交流、存在の道程〜

 数多くのデザイン系作家の方々の撮影をした。インタヴューゆえの時間的制約はあるものの、共有されるべき最前線の空気に触れることができとても有意義だった。今、写しとめた時の記憶と改めて向かい合うことで、「ポートレートより本質的なポートレート」が一脚の椅子や仕事道具、さらには内外の時空間にあるのを感じている。
  出逢えた総勢 25 人は、みな日本人としての身体を持つ人々ばかりである。よって結果的に立ち現れた「風景」の集合体はとてもアジア的かつ日本的である。
  そんな境地にたどり着けたのも、インタヴュー形式ならではの立ち位置が双方にしっかりあったからだろう。肖像写真と風景写真、モノクロームとカラー。両者間にある結界の呪力を私は“アメリカ近代写真の父”アルフレッド・スティーグリッツ( 1864-1946 )のように失わせてみたかった。すだれを捲き上げればただちにそこは一つの世界。たやすく破られそうで破られない別世界製造装置としての結界…。
  話者と対話者が繰り拡げるやりとりの中で、作家たちが日本(内)と世界(外)との関係を話していたことが印象に残る。そして、ここに展示した記録の数々を凝視するたび、肖像と風景のあいだに開閉自在な意識上の結界があることに気づかされる。外との隔絶、交流、存在の道程。遠くの潮騒とも山びこともつかぬ音が聞こえる日本列島発の写真群をご清覧ください。

                      菅原一剛( Ichigo Sugawara )

作家の仕事場
The Portrait

栃折久美子、 柳宗理、内田繁、
山中竅A 新井淳一、仲條正義、
石橋寛、 横尾忠則、浜野安宏、
藤塚光政、 山本耀司、
立花ハジメ、 坂川栄治、原研哉、
田中一光、面出薫、中村史郎、
渡辺力、藤幡正樹、福田繁雄、
タナカノリユキ、保科正、
川上元美、喜多俊之、菊池信義

[敬称略・インタビュー作家順]

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