大晦日が近づくと
街では人々が一斉に掃除を始める
いちねんの間にたまったいろいろを
一旦すべてリセットし
あるべきところに置き直して
あたらしいとしを迎える準備を粛々と続ける
終わりとはじまりの境目を
これだけはっきり実感できる体験は稀だ
何時間かのちには
暦の上であたらしいとしが始まる路上では
「よいお年を」
という言葉が交わされる
美しい習慣
そして期待通り
間違いなく朝はやってきて
人々はあたらしいとしを祝福する
同じように 毎日 毎日
はじまりを迎える あるいは おわりを告げる
数え切れないものごとたちを
こんなふうに大切にしたい
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