2006.02 「鈍い光の中に...」

 

  僕は自慢ではないが雨男であります。何処かに出掛けるとたいがい雨が降る。こんなことを言うとロケの仕事が減りそうだけど...でも本当だから仕方ない(笑)
二月の半ば、半年ぶりに沖縄に行ってきた。やっぱり今回も雨が多かった。着いて四日間ずっと太陽は隠れ、時々思い出したかのように雨が降っていた。
沖縄まできて梅雨のような天気に気持ちも滅入った。
けれど町を歩いてみると、厚い雲にさえぎられた鈍い光の中でも、というかそんな光の中だからこそ見えるものが沢山あることに気がついた。
人が生活している場所の湿り気のあるにおい。
晴れた日の光とは違い、どんよりと鈍い光の中には人の内側の乾いた部分を、じわっと湿らせてくれるやわらかなものがあるように思った。