2006.12 「雲の上は...」
今僕は、神戸から札幌に向かう飛行機の中にいる。窓の外は良く晴れている。 というか、離陸前の空港は分厚い雲に覆われ、これから何だか良くないことが起こりそうな、映画『オーメン』のはじまりのシーンみたいに不吉なくらいどんよりとしていた。 でもいざ離陸し厚い雲を突き抜け上へ行くと、そこは当たり前だけど眩しく晴れている。 わかってはいるけれど、こんな単純なことに僕は随分と驚いてしまう。 雲の上はぜったい晴れているのだ。 雲の上はぜったい晴れている。 そんなことを考えていると、さっき南野陽子に似た背の高いスチュワーデスが持ってきたなまぬるいコーヒーも、とてもうまい物に感じてきた。 雲の上は晴れている。