2007.02 「記憶のかけら」

 

 

 来月からの長期旅行の為、住み慣れたマンションを引き払うことにした。広いベランダと日当りの良さが気に入り、この部屋を借りた6年前、それからいろいろの出来事があった...。
次から次へ段ボール箱に物を詰め込む。押し入れの中から忘れてた物が出てきては、いちいち手を止め懐かしがったり、少し感傷的になったり、なかなか作業が進まない。(なんか女っぽい.笑)
 でも何年かに一度こうやって自分の持ち物を、整理するこのような作業は意外に大事なように思える。物を整理しながら心も整理するような、長い間気づかないふりしてほって置いた記憶の隙間を少しだけ整えてあげる。そうすると案外気持ちが落ち着き、今自分が居る位置みたいなものが見えてくる気がした。

 荷物がなくなってガランとした部屋を見る。今まで自分の一部みたいに感じていたのに何だかよそよそしく見える。ここで起こったいろいろな出来事を思い起こす。
そこにはたくさんの懐かしい記憶のかけらが浮かんでは消え、浮かんでは消える。