2007.07 「南米〜その3 帰国」

 

 

 ペルー、ボリビア、コロンビアと全部で二ヶ月間南米を回ってきた。すべてが日本とは異なり、時間はゆっくり流れ、人々は陽気で人懐っこかった。日本の常識はこっちの常識ではなく、こっちのあたりまえは日本のあたまえではない。当然だけど、その国その地方によって文化が違うのだ。住んでいる所を離れてみると、自分の国の良いところ、良くないところが少し見えてくる。帰りの飛行機の座席に着き、そんなことを考える。
 それにしてもいろんな人に出会った旅だった。リマの豪快なタクシー運転手、ナスカを一緒に回ったミクちゃん マユちやん、コパカバーナまでガイドしてくれたホセさん、ウユニで一緒に泊まった自転車乗りのフランス人、コロンンビアのパパヤンを案内してくれたアントニオ兄弟、カリの食堂のおばさん...みんな気持ちの良い人達だった。旅する国が食材だとすると味付けはそこで出会う人達で決まる。甘い調味料もあれば苦いものも、ピリッと辛いスパイスだってある。でも今回できた料理は栄養たっぷりで体の芯から温まるものだった。それをぼくは美味しく食べさせてもらったのだ! お腹いっぱい。
 そして今度は日本で...。たくさんの食材や調味料で時々迷うかもしれないけど、自分なりのごちそうを作ってみよう。
 もし迷った時は、まだ舌に残るこの味をちゃんと思い出してみよう。
 町の灯りが遠くなる窓の外を見ながらそうなふうに思った。